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平々凡々な20代サラリーマンがお届けする平々凡々なサラリーマンライフ

短期間で身に付けたものはやっぱり短期間で失う 前編

 

人気バスケ漫画スラムダンク』の主人公・桜木花道は素人ながらにその卓越した身体能力と常人離れした努力によって、短期間でバスケットボール初心者から全国大会でも通用する選手に成長した。

もちろんこれは漫画の世界の話なのであって、実際にバスケットボールを始めて数ヶ月であそこまで化ける選手はいないはずだ。

 

でも英語はバスケットボールと違う。

英語は短期間で化けることが出来る。

僕がそうだった。

英語についてはまるで僕は桜木花道だった。

 そんな僕のサクセスストーリーを二回に分けて書きたいと思う。

 

 

 

本格的に英語に取り組み始めたのが2008年の2月。

予備校で英語克服します!浪人しません!宣言をしたその帰り道、本屋でターゲット1500という英単語帳を購入。

そこに掲載されている英単語を片っ端から暗記していった。

当時の僕の考えはこうだ。

 

英語がわからないのはそもそも単語がわからないからだ。文法も重要だけどそれは予備校の授業で習いつつ、自力で語彙力を増やしていこう。

 

当たり前のことだが、そもそも単語の意味を知らなければライティングもリーディングもリスニングも出来ないのである。

だからとにかく英単語を詰め込んだ。夜寝る前に単語を50個暗記して、朝起きてからちゃんと記憶しているか確認をした。

学校の昼休みや予備校の休憩時間には前日や前々日に暗記した単語を覚えてるかチェックした。

赤シートで隠すだけでは簡単に覚えられないのでノートに書きまくった。目で、手で、英単語の形と意味をインプットしていった。

 

 

 

桜木花道の2万本シュート練習よろしく、朝も夜も来る日も来る日も英単語暗記に明け暮れた僕は4月に入った頃には英単語帳を一周していた。

1500個もの英単語を2ヶ月足らずで(形的には)暗記したのである。

ただ、みなさんもおわかりだと思うが英単語帳を一周したからといって、本当にそのすべての単語の意味をペラペラと口に出来るかと言えばまったく違うのである。

しかし、それでも僕はあんなに英語が出来なかった自分が英単語帳を一周させたことが嬉しかった。自分で自分が誇らしかった。楽しい気分になった。

 

 

 

だから遊びに出掛けるようになった。

 

 

 

英単語帳はもうクリアした。

英文法も英単語暗記に比べれば覚える量は少ないので、もう英語を克服したも同然だ。

勝った!大学受験編 完!

 

こんな感じだった。

4月中旬から予備校に行かなくなり、毎日深夜まで友達と遊び歩き、ついには高校にも行かなくなった。

英単語暗記で溜まっていたストレスの反動だったのだろう。

本当にアホみたいに遊んだ。

「大学ゥ?東洋、日大、駒大どこでも行けるわw英語マスターしたからなw」と完全に浮かれモードだった。

 

5月も下旬に差し掛かった頃、予備校の先生から過去のセンター試験を解いて力試ししてみないか?と誘われた。

センター試験の問題はそれまで見たこともなかった。

鍛え上げた英語力を見せつけるときが来たな、と意気揚々と予備校に向かったのを覚えてる。

一応、身に付けた単語力を鈍らせないようにと英単語帳を眺める習慣はつけていたのだ。

だからこのテストもいけるとタカをくくっていた。

 

 

 

結果は42点。

 

「狙って取れる点じゃないぞ。才能あるな!」と採点後に先生は僕に明るく声を掛けてくれた。フォローのつもりだったのだろうが、まったくフォローになってなかった。

 

僕は絶望した。

暗記したはずの単語が全然浮かんでこなかった。手のひらから砂がこぼれ落ちるように、僕の脳から英単語がサラサラとこぼれ落ちてしまっていたらしい。

短期間で身に付けたものは見事に短期間で失ってしまうのである。

 

42点という大失態の原因は英単語だけではない。英文法もまともに習っていなかったので、ほとんどの問題が解けなくて当たり前だった。

 

 

 

いや、それでも42点て。選択式の200点満点のテストで42点て。この点数はひどい。日東駒専(関東中堅私大群)に受かる人はセンターで120点も取れるっていうじゃないか。全然足りない。このままじゃ絶対に大学に受からない。もっと真剣にならないと!

 

 

 

大学受験のレベルの高さ、現在の自分の位置、合格までの距離、受験本番までの残り日数、すべてを真剣に捉えたのは、気象庁から梅雨入りが発表された頃だった。